●●●●● 第2章 花屋修業編
16回 [大目玉 ]
北野にあったお店は
小売より、ブライダルがメインでした。
覚えているだけでも、4~5箇所のホテルなどと提携していたと思います。
ですから、ブライダルシーズンになると
週末、20数個のブーケ制作になるのでした。
(在籍していた時で週末最高26個って、時がありましたっけ。。。)
多い日は当然、スタッフ総出になります。
私の勤務は月水金でしたが
シーズンには日曜日も出勤になるのでした。
(土曜日はスクールのアシスタントのお仕事がある為に出ていなかったのでした)
そんな、全員総出の日曜日の事です。
皆で振り分けてブーケを作っていました。
1人で何個か作らなければなりません。
(かなりのキャリアの先輩が2人いて、その人達が多くを作ってはいたのですが‥)
すると、突然
「これ、浸けたの だれっ!!!」
その声に
一瞬、場が凍りつきました。。。
この店で1番のキャリアをもつ、
超きびし~い 先輩の怒声です。
最初は何の事を指しているのか分からなかったのですが、
見ると
ブーケを作るためのブーケホルダーを、
バケツに浸けたのは「誰」なのだ!! と言っていたのでした。
恐る恐る
「私です‥」
と名乗り出ると、
「ちゃんと、浸かってないじゃない!!!」
「資格も持ってて、こんな事もちゃんと出来ないの!!!」
「これじゃ、使えないじゃない!!!」
「私が気が付いたからいいけど‥」
「浸けかたも知らないの!!!!」
「!!!!!!!!!!!!!!」
まぁ~。。。
怒られました。
「すいません。」
「すいません。」
しか、言えませんでした。
その一件で、初めて
「ホルダーやオアシスに浸け方がある」というのを知ったのです。
スクールに通いだして、3年以上経っていましたが、
「だ~れも、そんな事は教えてくれなかった」んですもの。。。
一番大切な部分なのにね~
教室では、既に水を含んだオアシスを支給してもらっていましたから、
「どう浸ければいいのか」を疑問に思う事も無く
「ブーケホルダーを水に浸けといて」と言われれば、
別に取り立てて考える事無く、
「水に浸かっている状態であればいい」と思っていたのでした。
もし、先輩が気が付かずにブーケを制作していたら
そのブーケは本番の時には萎れてしまっていたでしょう。
「スポンジに確実に100%吸水させる」という事は
ほんのちょっとした知識が無い事により、
「大きな失敗に繋がる危険性」がある事柄だったのです。
<つづく>
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仕事には「知らないでは済まされない」事があるのです。
ましてや「ウエディングブーケ」というものは、人の一生の記憶に残る「大切な大切な宝物」なのですから‥
「この仕事に携る者として、心しておかなければならない大切な事」を
仕事として、ここに働きに来たからこそ、学ぶ事が出来たのでした。
【宮川の提言】 |
さて、心構えと知識以外にも、「お花を仕事」とする上で必要な事があります。
それは、なんだと思いますか???(全員が必要な訳ではないけれど‥)
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