●●● 第3章 花屋修業時代苦悩編
25回 [新しい場所]
後日、また不動産屋に出向き
物件を探して貰いました。
バブル崩壊後の悪い時代に
「×1」、「アルバイト」、「女」 という、
非常に入居しにくい条件の私だったのですが、
担当さんは、1つ物件を探し出してくれました。
「ここのオーナーさんは、後家さんで
苦労して、マンションの運営をされている方で
女性には理解がある人だから‥」
そう言って、オーナーさんに電話を入れてくれました。
「20代の女性なんですけど、
離婚される事になって‥
でも、前職は銀行員でして、とてもしっかりした
いい人 ですから。。。
○○さんに、ご迷惑を掛けるような事を絶対する人じゃ ありませんから‥」
そう言って、オーナーに私の事を紹介してくれていました。
オーナーさんはOKを出してくれた様で
その後、物件を見に行く事になりました。
兵庫駅の山の方
「菊水」という所でした。
もう、大分日も翳ってきていて
薄暗くなってきていました。
私達が着くと、
オーナーさんが掃除をしている所でした。
(お掃除も経費節減の為に、
オーナーさん 自ら されていたのでした)
状況を聞いてくれていたオーナーさんは
「大変でしたね~。。。」って、言ってくれて
あとは、お部屋を見せて貰い
このお部屋に決めたのでした。
築浅で、綺麗にお掃除されていました。
兵庫駅まで、バスを使わねばならないのは不便ではありましたが、
担当さんと、オーナーさんの
気持ちが嬉しくって‥
それに他に、物件があるわけでも無かったし‥
家賃62000円の1DK
神戸市兵庫区菊水町
ここが、
「新しい生活」を始める場所に
なったのでした。
<つづく>
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