連載第6回(全6回・最終回) |
みなさん、こんにちは。
とうとう最終回です。
1回目を書いてからあっという間に最終回が来た気がします。
最初はちゃんと続けられるか不安もありました。でも無事に最終回までやってきました。
今回のテーマは、「試験について」、
& 「今とこれからの私のこと」 について書いてみようと思います。
◆NFD資格検定試験 ~1級の受験~ |
9月27日に私は、NFD資格検定という試験を受けました。
3級からスタートして、今回は1級の試験でした。
2級までは遊華で受験することができるんですが今回は1級。1級は本部まで受験しに行きます。
不安だらけです。
まず、今まで行ったことが無いところで受験すること。
先生が近くにいないこと。
当たり前だけど、同じ試験を受ける人たちが沢山いること。
遊華でも何人かで試験は受けるんですが私は今まで、同じときに同じ級を受験する人がいなくてずっと一人だったので、周りの人たちと同じものを作ることに慣れていませんでした。
◆試験課題
課題は試験の1ヶ月前に発表されます。
1ヶ月前からドキドキ。
いくつかテーマがある中で、アレンジから1つ、ブーケか花束から1つの課題が出ます。
私はブーケの1つがとても苦手で、それだけは出ないようにとずっと思っていたのに、発表された課題には、私の苦手とするブーケが…。
最悪です!!!
どうしよう。今から1ヶ月でどうにかなるの??
ただでさえ不安な試験がさらに不安に。
幸いににもアレンジの課題のほうはそんなに苦手ではないもので…。それだけが救いでした。
◆課題のレッスン
8月の末から、課題の練習になりました。
毎月3回のレッスンをこの1ヶ月は5回にして5回のレッスンのうち3回を苦手なブーケに。
残りの2回をアレンジにすることに決めて、レッスンを始めました。
もっと早くからもっと真剣にやっていれば直前になってこんなに必死になることも無いのかもしれませんが、私は、追い詰められないとできないタイプで…。
きっと先生も思っていたと思います。
「もっと早くやる気になってればいいのにっ」 て。
上手に作りたいと思っても、なかなか思うように出来ません。
焦るのは気持ちばっかり。
テーマに沿ったものを作らないといけないのがNFDの難しいところなのかもしれません。
私が苦手なブーケのテーマは流れるような花嫁の花束。
何回作っても流れが作れない!!
先生に何回も教えてもらってそれでも流れが作れない。
先生に「落ちたらどうしましょう。」って言っても
先生は「大丈夫! 落ちたらまた受ければいいやん。」って。
慰めにもなりません!!
私の今年の目標は1級1発合格なはず…。
◆試験前日
試験の前日は朝から夕方までレッスンしてもらいました。
アレンジはなんとか大丈夫。
やっぱり問題はブーケ。それでもやっとなんとなく作り方やポイントが分かったような気がしました。
本当に、「やっと」って言う感じでした。
あとは時間の問題です。90分の間に完成させられるか。何が何でも作り終わらないといけません。
不安だらけな私を前に先生は、
「大丈夫。間に合うよ。」 と…。
ほんまに大丈夫?もうどうしよう。
これで落ちたら??
本当に落ちたらどうしようと頭の中がそれでいっぱいになっていました。
でも心配しても試験は明日。
もうどうすることもできません。
とりあえずやるだけはやった。明日は頑張るのみ。
◆ ついに、当日!!
やってきた当日。
ドキドキしながら試験会場に向かいました。
会場に到着するともう何人かは先に着いていてテキストを広げて勉強していたりメモを読み返していたり…。
何の試験でもそうなんですが、私は試験会場に行くまではものすごく緊張して「もう帰りたい」と何回も思うのに、着いた途端に緊張しなくなるんです。
着いたらもう、「やらな!!」と。
試験は3級から1級まで受験しに来る人たちがいてたぶん全部で50人くらいはいたと思います。
受験番号ごとに並んで、みんなで配られる花材のチェック。
それが終わると試験がスタートします。
「はい、始め!」
って言われた途端に「パチンパチンパチンパチン」 ハサミの音が沢山聞こえてきます。
最初の60分はアレンジメントでした。
この60分は周りの様子を伺えるくらい、楽しく作ることができました。
「あれっ、なんで皆 枝をモジャモジャのままいれるんだろう」 なんて余裕もありました。
私はちゃんと、学んだ通り 枝のラインを見て、剪定してさして行く事が出来ました。
次の90分でブーケを作ります。
この90分は周りの様子を伺う余裕なんてありません。必死の90分でした。
ここ何年間で1番早い90分だったと思います。
先生に教えてもらったことをしっかり思い出しながらひたすら「流れる、流れる」って頭の中で言い続けました。
なんとか90分で作り終わることができて、隣の部屋で採点が終わるのを待ちました。
やっと終わった達成感でとりあえず満足。
ドキドキしながら結果を待つこと2週間。
◆試験結果
試験結果は遊華に送られてきます。
2週間後の10月11日、仕事中に先生から電話が。
電話に出られなかったので留守電にメッセージが…。
「1級合格してます!!!おめでとう。」
「 バンザイ!!! 」
仕事中にもかかわらず先生に電話。
たぶん、めっちゃテンション上がっていたと思います。
本当に良かった!!
長い時間、レッスンしてくれた先生にも大感謝です!!
約4年間のレッスンがちゃんと実ったことが本当に嬉しかったです。
◆現在
NFDが終わった今、PFAコースに通い始めました。
次はプリザーブドフラワーの資格に向かって勉強中です。
遊華に通い始めなければNFDもPFAも知らなかったしやってみようとも思ってなかったと思います。
しかも、私は今、お花屋さんで働いています。
ついこの前までは定時に行って定時に帰る、普通の仕事をしていました。
こんなにお花漬けの毎日がやってくるなんて想像もしていませんでした。
◆お花屋さん
朝は早いし夜も遅いです。
市場に行く日なんかは朝の8時から夜の11時まで仕事なんて時も。
おまけに給料は今までの約半分。
それでももうちょっと頑張ってみようと思っています。
やっぱり作ることが好きな私には楽しいと思えることがあります。
お客様に可愛いって喜んでもらえたり、
昨日よりも上手に花束が作れたり…。
小学校の時からの友達には、「今までで一番、かなちゃんらしい仕事してるやん!」 と…。
確かに、今までの仕事の中で一番しんどいけれど一番楽しいかも。
◆これからの私*****
これから先、ずっとお花屋さんで働き続けようとは思っていませんが、どんな形であれお花の仕事をしていきたいとは思っています。
これが私が遊華に通って出来た夢なのかなぁと思います。
今までは何かを見つけたいと思っていたけれど、何かは分かりませんでした。
今は見つかったのかもしれません。
なんとなく始めたことが自分の人生を変えることもあります。
人生を変えるって大げさに聞こえるかも知れないけれど、少なくとも私の人生は変わったと思います。
◆ 最後に…
この1年間、このコラムを書いて、お花と自分のことを考える機会が増えました。
人に伝えようと自分の頭を整理することで、自分のことも考えていたのかなぁと思います。
最初は正直 「なんで、私?」と思っていたけど…。
この機会を与えてくれた先生に今は感謝!!
そして、私の下手くそな文章を読んでくれていた皆さんにも感謝します。
「ありがとうございました!!!」
かなこ。
かなこさん、1年間「コラムの執筆、ありがとう~ 、そして、
お疲れ様でした。」
最終回の文章を読み終わった時、
思わず、「拍手」を送っていました。
「素晴らしい出来栄えでした。本当にいいコラムでした!!」
今年の2月に、「文章、書ける?」そう聞いて、
コラムの依頼をしてから、10ヶ月。
予定していた、6回のコラムを、締切りをキチンと守って
穴をあけることなく、やり遂げてくれました。
「遊華、初代のコラムニストなので、私も人を厳選したつもりです。」
それに、ちゃんと応えてくれたかなこさんでした。
かなこさんは、「自分の意見を持っている人です。」
それは、最初に遊華に入って来た時から、そうでした。
入会してくれたばかりの時に、こんな事がありました。
或る日のレッスン、かなこさんが、アレンジを作っていました。
ほぼ出来上がってきた、アレンジを見て、私はこう言いました。
「このメインの花、長すぎるね。カットしようか。」
すると、かなこさん 「え~、切るんですか?」 ちょっと 不服そう。
そこで私、ポイントの花を抜き、「切るよ!!」
「えぇ~!!!!」と、絶叫する彼女。
その声には、「切るの反対」の心がこもっています。
通常、7:3の割合で、反対意見の場合は、生徒さんの意見を尊重します。(よっぽどの場合を除いて)
ですが、私が「切るよ」 と 言った時に、「反対する生徒さんは まずいません。」
「先生が切る と言っているんだから、それが正しいんだ」大概の生徒さんはそう思います。だから、「えぇ~」なんて絶叫する生徒さんはいないのが現状なのですが。。。
彼女は違ったわけです。
絶叫する彼女を尻目に、私はカットして、短くなったアレンジメントを彼女に見せました。
すると、
彼女の顔が 「ぱっと、輝きました。」
「ほんとだ~。。。 切った方が良くなった!!!」
本当に嬉しそうな彼女の顔。
この時、「あぁ~、この子は、自分の意見(感性)を持っている子なんだなぁ~。。。」 そう、思ったのでした。
つい先日、この話を彼女にしたけれど、かなこさんは全く覚えてはいませんでしたけどね…
それから、月日が流れ、彼女はNFDにコースを変え、
3級→2級→1級と順調に進みました。
遊華の作品展やフラワーマスターズというお花のコンテストにも参加してくれました。
そして、今年の夏には、「お花屋さんで働き始めたかなこさん。」
9月の1級の試験。彼女は「超不安」だったみたいですが、
私には、「不安感などありませんでした。」
長年の経験と試験委員でもある私には、「彼女が合格する事は分っていましたから。」
「お気楽」な私を見て、かなこさんは、不思議だったみたいです。
まぁ、その位、彼女は私にとって「楽な生徒さんでした。」
心配で心配でたまらない生徒さんもたまにいますから、
「心配しなくていい」生徒さんは、助かりますよね。(胃の痛さが天と地ほど違います)
まだまだ、彼女には「伸びしろ」があります。
私もいつまでも彼女が花屋で働くタイプとは、思っていません。
「彼女の活躍する場は、もっと違う場所にあるだろう」そう、思っています。
その成長していく姿を、近くで見守っていきたいと思います。
かなこさんだけでなく、遊華の生徒さん達の成長していく姿が、私の「パワー」になり、「癒し」にも、なってくれます。
色んなカタチの、「成長のスガタ」 を私に見せて下さいね。
素敵な美蕾達(ミライたち)にエールを送り続けます!!
花クラブ遊華 主宰 宮川 美智子