●●● 第3章 花屋修業時代苦悩編
37回 [おはようさ~ん]
この時住んでいたのは、以前にも書きましたが
神戸市兵庫区の菊水町という場所で
兵庫駅の山側(北側)に位置する所でした。
兵庫駅まではバスで行くのですが、
私のマンションからバス停までは
坂道を下って降りていきます。
坂道を降りきったところにバス停があるのでした。
その坂道の途中に、お豆腐屋さんがあったのですが、
ご夫婦で営まれているようでした。
仕事に行くために、毎朝毎朝お豆腐屋さんの前を通ります。
すると、
「おはようさ~ん。。。」 お豆腐屋さんのおじさんが声を掛けてくれました。
この「おはようさ~ん。。。」 がとっても素敵なおはようさん なんです。
毎朝花店に行くのは、とっても嫌だったのだけれど、
このおじさんの 「おはようさん」は、
私に幸せな気分を与えてくれていたのでした。
あんなに素敵な挨拶を、それ以前もそれ以後も耳にした事がありません。
それ以外(おはようさん以外)の言葉を掛けて貰ったわけではないのです。
だけど、
だけど、なんだか
あの、余韻のある、全てのものを包んで許してくれるような
とっても、あったか~い、「おはようさん」。。。
あの、おじさんは何者だったのかしら。。。
「今度は、お豆腐を買いに行こう。」
「今度こそは、お豆腐を買って帰ろう。」
何度も何度も、そう思いましたが、
結局、ただの1度もお豆腐を買う事はありませんでした。
でも「おはようさん」の一言が、
十分に私の「癒し」になってくれていたのでした。
<つづく>
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ただ、「おはようさん」と声を掛けてくれていただけの
おじさんですが、今でも しっかりと覚えているのは、
少し不思議な感じもしますね。
私も、あんな「おはようさん」が言える人間になりたいと
思うのですが、ちょっとやそっとには出来そうもありません。
だって、あれ以上の「挨拶」を聞いた事がないんですもの。。。
しっとり、はんなり、優しく、温かくetc‥
「幸せになる、挨拶が出来るようになりたいものですね。」
それが出来る様になった時、
私は、一皮も二皮も剥けて、迷いの無い人間になれるのかもしれません。
【宮川の提言】 生徒さん達が教室に入ってきます。 気持ちのいい挨拶で、入ってくる人もいれば、 「いつ来たん?」とびっくりする様な人もいたり、 えらく暗い挨拶だったり‥ どうせなら、気持ちのいい挨拶をしませんか? 「こんにちは」「こんばんは」って、 つぶやいている様な、言ってるのか言って無いのか キチンと相手に伝わる挨拶をしましょう。 そして、出来れば 相手を幸せ気分にしてあげられる様な そんな挨拶が出来る人間になりたいものですね。
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