●●● 第4章 花屋修業時代大阪編
57回 [Yさん]
大阪店に移る時、
前からのスタッフである、Yさんが残るのは正直嫌でした。
でも、一緒に仕事する様になって、
面白いYさんとは、すぐに仲良くなりました。
10月に企業が手を引き、社長が代わる事になり
私自身は店長で、「社員」扱いだったのですが、
Yさんは、社員から「アルバイト」になってしまっていたのでした。
アルバイトになっても、残るのかな~ と気にしてはいたのですが、
彼女は10月以降もお店を辞める事はありませんでした。
花屋の店員としての腕は、
私もYさんも、同じくらいだったと思います。
但し、かなり大きな活け込みになると、
まだ、私の方が良かったかなぁ~と自負しているのですが。。。
私、Yさん、Kちゃん、 いいトリオでしたね~。
技術もスピードも、仕事の進め方も
いい感じで、皆出来ていて、それぞれがいいスタッフだったと思います。
私が一番の年長でしたし、店長でもありました。
でも、この店では、一番あとから勤めだしたのも私です。
だからかもしれませんが、時々「上から目線」 でものを言われていたような気がします。
私自身にも、「あとから入った」という気持ちが心の底にあったように思います。
Yさんは、いっつも「強気」で「自分に自身のある人」でした。
それがカッコ良くもありましたね。
「イヤミ」にも、あんまり感じませんでしたし‥
私に対しても、「タメ口」です。
それも別に嫌じゃなかったですね~。
強気なYさんですが、時に「寂しがりやさん」です。
店はシフト制なので、5時や6時上がりの時と
最終7時までの時がありました。
6時に仕事を終え、家に帰って暫くすると
Yさんから電話が掛かってくる事がありました。
「なぁ~、今日予定あるん?」
私 「別に無いよ」
Yさん 「カラオケでも、行かへん?」だったり、 「ご飯、行こや~」だったり‥
私はいっつも、「いいよ~」って言って、
又チャリンコで お店に向かいます。
普通ね、ご飯行きたいとか、カラオケ行きたいとか
だったら、私がお店に居る時に
誘うものでしょ。
それを私が帰ってから、誘いの電話を掛けてくるのです。
だから私ね、Yさんって、
「寂しがりやさん」なんだなぁ~ って、思ってたんですよ。
分かるかなぁ~???
Yさんの方が大阪には詳しいので、
行き先はYさん任せです。
私のチャリンコの運転をするのはYさん。
私はそのチャリンコの荷台に乗って、目的地に向かいます。
(私はチビで、Yさんは長身なので、その方がバランスがいいのです。)
そして、美味しいご飯を食べ
楽しくカラオケして
店の近くにある駅まで
2人乗りして走るのでした。
彼女の背中につかまって、
「アハハハ‥」 と笑いあったあの日は、遠い日になってしまいました。。。
<つづく>
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笑いあったあの日が、ただの「楽しい思い出」になってくれなくなった事件がその後起こってしまいます。
あの事件が無ければ、まだまだ彼女とのお付合いは続いていたのじゃないかな‥ って思うのですが。。。
随分、「悲しい出来事」がその後待っているのでした。
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