●●● 第4章 花屋修業時代大阪編
60回 [一番忙しい日]
花屋の一年で一番忙しい日って、
いつだと思いますか?
「母の日」 でしょうか?
それとも
「クリスマス?」
いえいえ、それ以後の 「年末?」
「お盆?」
えっ、
「お店の形態によって、違うだろう」 って?
そう、その通り、
ブライダル関連の多いショップであれば、
ブライダルシーズンである、「春や秋」が忙しいですよね。
だから、私が最初に勤めた北野店の場合だと、
「秋のブライダルシーズン」特に10月は忙しかったし、
一般的なお花屋さんだと、
やはり、「母の日」と「年末」が忙しいのですが。。。
ビジネス街にある大阪店の一年で一番忙しい日は、
「3月31日」 なのですよ。
この日が土・日・祝日の場合は
平日の3月最後の日が一番忙しくなります。
初めて迎える、3月31日の為の仕入れは
前年の仕入れ額を頭に入れて、たっぷりと競り落としてきました。
だから、3人での水揚げもかんなり時間掛かったのでした。
忙しいのは31日だけでなく、
その前々日から忙しくなってきます。
退職や転勤の為の送別の花が売れていくのです。
お花の注文は
当日の朝から、序々に入ってきます。
その日の朝は、
「戦闘開始モード」 って、感じです。
お花を注文に来るのは、
OLさん達ですから、
やっぱり「こだわり」が多く
「お花指定」や 「色目指定」 「形指定」 があるのです。
それも一度に3つとか5つとか‥
全ての色を変えてとかもあるし‥
1時か2時頃までは普通に注文を聞いていられますが、
2時を過ぎる頃になると、
花材の心配をしなければならなくなってきます。
どういうことかというとですね~
このお店では、
注文を聞いた人間が、
その注文品を作ります。
花束やアレンジメントには、
色んな注文が付いてきています。
気をつけておかないと、
既に「その花が無い」 という事態に陥ってしまうのです。
だから、なくなりそうな花は
「キープ」しなければなりません。
1人で何十個の注文を聞いていますから
それらを把握しておかなければならないのです。
次に気をつけないと行けないのが
出来上がり時間です。
5時を過ぎると、
注文していた花をお客様が次々に取りに来られます。
それぞれに、何時頃取りに来るかをお聞きしていますから、
その時間迄に仕上げておかなければなりません。
花束を作りながら、
注文に来た新たなお客様の対応もしなければいけないので
それはそれは、大変なのです。
今注文に来て、すぐ持って帰る 人もいますしね。。。
キリキリ舞いの1日でしたが、
初めての年度末「3月31日の売り上げは」
なんとなんと、
3人で「38万円」売り上げていたのでした!!!
これは、結構すごい数字なのですよ。
花屋の人がこの数字を見ても、
「大した事無い」と、思うかもしれません。
「母の日」や「盆」「年末」などは
普通の花屋であれば、もっと売れますからね。
でも、それらの「売れる日の商品」は
殆どが「作り置きの商品」です。
でも、この大阪店の商品は31日当日に作っていく
商品なのです。
そして、そこには「鉢物」はありません。
「鉢物」であれば、値も張るし、
ラッピングも短時間ですみますが、
花束やアレンジなどは、そうもいきません。
送別には「花束」が殆どでしたから、
「花束」を売って、売り上げ38万って
やっぱり、すごいんですよ~!!!
1日の最後には、
キーパー(花用冷蔵庫)の中は
「スッカラカン」 になっているのでした。。。
<つづく>
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「3千円の花束」が一番多かったかな~
3千円~5千円 っていうのが、相場でしたね。
3千円の花束何個作ったら、38万円になると思います?
そう考えたら、すごいでしょ!!
倉庫で、花束だけ 作ってる訳じゃないですからね~
お客さんの対応しながら、
色んなバリエーションで作っていくって、
なかなか大変なのでした。
そして、この日の売り上げは
この店がオープンしてから
一番の売り上げになったのです。
しかも、
前年が30万でしたから、かなりのUPになっていたのでした。。。
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